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大宮と銀座にある美容外科フォレストクリニック院長、藤井一久のコラム。
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第8回 「研修医の頃の話」

最近は暑い日も多くなってきて、そろそろ夏かな?と思える日もありますね。
関東地方も暑い日がありますが、僕の実家がある京都は盆地のため、夏は暑いだけでなく、とっても蒸し暑いんです。
僕は東京の医大を卒業した後、京都の大学病院で医師としての生活をスタートしました。医学部を卒業して、国家試験に合格して医師免許をもらっても、医師としての仕事はまだ何も出来ないので、はじめは先輩医師に教えてもらいながら医師としての仕事を覚えていくのです。
処方箋や検査伝票、診断書や紹介状の書き方などの事務的なこと、点滴や注射、診察の進め方や治療方針の立て方、手術の方法などなど。覚えなければいけない ことはたくさんあります。医学生の時の知識は基本にはなりますが、知識だけでは患者さんを目の前にしたベッドサイドではあまり役に立ちません。
学生の時は早く医者になってバリバリ活躍したいと思っていましたが、実際なってみると活躍どころか、医師として未熟な自分が情けなくなる毎日でした。
そして研修医はみな同じだと思うのですが、僕がはじめに苦労したのが点滴でした。
『医者なんだから注射なんて簡単にやってくれるんでしょ?』と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、それがとんでもない!(笑)
学生時代は実習で同級生の採血をしたことはあっても、今度は自分の患者さんに自分が針を刺すのです。学生の時とは責任が違う!と思っただけで緊張していました。
注射は患者さんにとっても嫌なものだったでしょうが、研修医の頃の僕にとっても嫌なものだったのです。面会時間中で患者さんの家族数人に見守られる中(見 張られる中?)での点滴が終わった後は、大手術を終えた外科医のようにぐったり疲れてしまっていたものです。「このままずっと注射のできない医者になった らどうしよう?」「注射も出来ないのに手術なんて出来るようになるのか?」と不安に思ったこともありましたが、ちゃんとできるようになるんですね。色々な ことを教わって、自分でも勉強して、多くの患者さんに接していくうちに経験を積んで、手技的なことだけでなく、病気を診るのでなくて患者さんを診るという ことを肌で学んだ研修医時代でした。先輩医師やスタッフや医学書にもお世話になったけど、医師としての僕を一番育ててくれたのは患者さんだったのだと思っ ています。
医学研究や優れた薬、優れた医療機器の開発によって医学は進歩していくので、それについていけるように医師はずっと勉強し続けていかなければいけません。 美容外科の世界で言えば、患者さんのニーズに対応すること、つまり、1人1人違う患者さんのセンスを理解するセンスを磨き続けることも大事です。だから今 だって研修医の時と同じように患者さんが僕を育ててくれているんだよということですよね。
あの時と違うのは手術の手技や治療の進め方が上達して、患者さんを不安にしてしまうような、不要な緊張をしなくなったことくらいです。
医師の間ではよく言われていることですが、『患者さんにとって医師は先生かもしれないけど、医師にとっても患者さんは先生』僕も同じように思って、日々の診療に従事していますので、思ったことは何でも尋ねてもらって何でも言ってもらえたらいいと思っています。

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